ロボット・トライアスロン 競技ルール

2007年度版 (2007/9/8 公開)
 ロボットトライアスロンは自律型ロボットがライントレース、迷宮、標的倒しの3種目を連続して行う競技です。競技の順位はコースを走行するのにかかった時間で競います。
 競技コースの形状、および競技の種目順は、開催地の競技運営委員が会場に合わせて設定できるものとしますが、以下のルールは守ることとします。
1.競技コースと競技内容

 競技コースはターポリンシート(注)をつないで作ります。ロボットは、このコース上で走行しなければなりません。コースの始めと終わりは幅18mm の黒色ビニールテープ(つやあり)で区別されています。

 注:ターポリンシート((株)テラモト製、規格 KT-4200、厚さ 0.42mm、材質 塩化ビニール、色 薄緑、つや消し面が走行面)

 競技に参加できるロボットには、車輪型の自律移動ロボットである限り、寸法や重量に特別な制限は設けないことにします。ただし、ロボットの移動性能によりカテゴリを設けていますので、次の条件に従って、いずれかのカテゴリーでエントリーして下さい。1チームがエントリできるロボットは全カテゴリを通じて1台だけです。

ノーマル 移動機構に標準ロボットキットのギアボックス((株)タミヤ製6速ギヤボックスHE)を使用しているロボット。
なお、ギアボックスへの軽微な改造を施したロボット、同等性能のギアボックス等を使用しているロボットもこのカテゴリーに分類する。
オープン ノーマル以外の移動機構を有するロボット。
競技内容は、次の3つの種目で構成されたコースからはみ出さずに、スタート位置からゴール位置までできるだけ早く走るタイムトライアルレースです。
1-1 ライントレース種目
ライン ラインは幅18mm の黒のビニールテープです。ラインは直線や円弧などの組み合わせで構成します。
また、一部のライン上には障害物 (迷宮内の障害物と同じ) があります。ショートカット防止用の障害物もありますが、これはライン上にはありません。
走行領域 ラインの中心線の両側は、最小でも220mm ずつの走行領域が確保されていることとします。
ライン上の障害物の周囲にも、最小で220mmの走行領域が確保されていることとします。
ショートカット防止用の障害物とラインの間隔も220mmずつの走行領域が確保されていることとします。
競技内容 ラインに沿ってロボットを進ませます。ロボット本体がラインからそれた場合はファールとなります。また、コース上の障害物に衝突してもファールとなります。
ただし、ライン上の障害物を回避するときに、一時的にラインをそれる場合はファールとはなりません。
1-2 迷宮種目
厚さ50mm、 高さ150mmのスタイロフォームで壁を作ります。

入口 迷宮の入口の床面に、コースに直角な直線を、幅18mm の黒のビニールテープで引きます。
出口 壁が無くなったところが出口です。迷宮内の出口付近にはライントレースの線が延長されています。
競技内容 迷宮エリアに、入口から侵入し、出口から出て下さい。途中であきらめることも可能ですが、その場合はあきらめた場所から出口までの大まかな距離に従ってペナルティーを科します。壁や障害物を動かしたり、壊したりした場合もペナルティを科します(右図参照、実際のコースとは若干異なります)。
障害物 直径125mm、高さ150mm 程度の円筒型の障害物が6つあります。色は黄色です。標準ロボットでは、動かしたり、持ち上げることのできない程度の重量です。障害物の配置は当日決めますが、少なくとも直径30cmの円盤が通過できるような通路を確保します。
1-3 標的倒し種目
標的 幅110mm, 高230mm、 奥行30mm のスタイロフォームの底に、M12の六角ボルト2本を下から差し込み、ボルトの頭で立つように設置します。上部を押すと倒れます。エリア上の標的は2個で、エリアの左側と右側に置きます。色は黄色です。
設置形態 標的の周囲は図のようにガードが設置されています。ガードを固定するためにベース板に 25mm 厚の鋼材を使用しています。ベース板と標的の位置関係はおおよそ右図の通りです。
ガイドテープ 標的のある方向を示すため、ガイドテープを路面の中央部に、進行方向に対して垂直に貼ります。テープが2本のときには左側に、3本のときには右側に標的があります。テープの長さは500mm、テープ同士の中心線間隔は50mmです。
競技内容 標的を探して倒します。このときロボット本体がガードに接触したり、ロボットの操作でガードを動かしてはいけません。
また、標的を倒すために危険な用具は使用してはいけません。 エアーガンのような「飛び道具」は禁止します。
(ここでロボット本体とは、ロボットの機体のうち、走行用ギアボックス等と一体になり、形が変わらない部分の全体をいいます。)
2.得点基準

 開催地の競技運営委員はコースの難易度に合わせて得点基準を設定できるものとします。ロボットの順位は総合タイムで競います。

2-1 総合タイム
走行タイムに、ペナルティタイムを加算し、ボーナスタイムを減じて総合タイムとします。
2-2 走行タイム
コースのスタート地点からゴールライン到達までの走行時間。
2-3 ペナルティタイム
次の場合、罰則としてペナルティタイムを科します。
2-3-1 コース全域
コースアウトやハンドがあった場合。障害物などのコース上の構造物に衝突した場合。
2-3-2 ライントレース種目
ロボット本体が完全にラインからそれた場合。但し障害物回避時は除く。
2-3-3 迷宮種目
途中で通過をあきらめた場合
2-4 ボーナスタイム
次の場合、報酬としてボーナスタイムを与えます。
2-4-1 標的倒し種目
標的を倒した場合。ただし、ガードを動かしたり、禁止用具を使ってはいけません。

注:ハンドとはロボットに触れる行為をいう。

3.コース仕様と得点基準の公表

 ライン形状、迷宮、標的などのコース仕様と得点の基準は、少なくとも競技開催日の7日前に公表します。
 なお、迷宮内の障害物、標的の位置は競技開始前に決めることにします。

4.参加資格

4-1 チームを作って競技に参加できるのは、北海道に在住する大学生および大学院生、これに準ずる教育課程の学生とします。

4-2 運営委員会からの連絡が参加者に届くように、参加者は必ずロボット・トライアスロン運営委員会のメンバー表から、自分が所属している学校の先生を探し、その先生に参加することを知らせて下さい。

4-3 身近にロボット・トライアスロン運営委員会のメンバーがいない場合は次のようにして下さい。
   4-3-1 所属機関の中で協力してもらえる先生を探して、ロボット・トライアスロン運営委員会のメンバーになってもらう。

   4-3-2 ロボット・トライアスロン運営委員会の事務局に事情を説明するメールを送る。

4-4 同一人物が複数のチームのメンバーとしてエントリーできません。

5.失格事項

 ロボットが以下の事項に抵触する場合、競技運営委員または競技審判はロボットの競技参加を拒否あるいは競技を停止させることができます。

4-1 ロボット機体以外の器具や装置を使用して競技した場合
4-2 故意にコースを傷つけたり、汚したりした場合
4-3 ロボットあるいは競技者が競技中に火気を使用した場合
4-4 ロボットに観客や周囲に危害を与えると思われる装置を使用している場合
4-5 ロボットが競技コースから完全に離れたり、動作が完全に停止した場合
4-6 競技会の運営を著しく妨げる場合
4-7 競技運営委員または競技審判が、失格事項に相当すると認めた場合

(C) ロボット・トライアスロン運営委員会 2008年 3月 16日 日曜日 更新

2008.3.16 「迷路」と誤記していたのを「迷宮」に変更.「30m」を「30mm」に修正.