ロボット・トライアスロン 競技ルール

2012年度版 (2012/4/20 第1版公開)

オレンジ色の部分は昨年からの変更点


 ロボットトライアスロンは自律型ロボットがライントレース、迷いの森、空き缶運びの3種目を連続して行う競技です。競技の順位はコースを走行するのにかかった時間で競います。
 競技コースの形状、および競技の種目順は、開催地の競技運営委員が会場に合わせて設定できるものとしますが、以下のルールは守ることとします。
1.ロボットと参加カテゴリ

 競技に参加できるロボットには、それが自律移動ロボットである限り、寸法や重量に特別な制限は設けないことにします。ただし、ロボットは2つ以上の部分に分離したまま競技を続けてはいけません。これには、競技者が競技中にロボットの上物またはカバー等をはずしたり、変形させることを含みます。また、競技走行はアピール走行のときと同じ部品構成で走行しなくてはなりません。
 ロボットの移動性能により競技カテゴリを設けていますので、次の条件に従って、いずれかのカテゴリーでエントリーして下さい。1チームがエントリできるロボットは全カテゴリを通じて1台だけです。

ノーマル 移動機構に標準ロボットキットのギアボックス((株)タミヤ製6速ギヤボックスHE)を使用しているロボット。
なお、ギアボックスへの軽微な改造を施したロボット、同等性能(タミヤ製ギヤボックス等)のギアボックスを使用しているロボットもこのカテゴリーに分類する。
補足:
・ギアボックスが同じなら内蔵されているモータを交換してもノーマルカテゴリに分類することにした。(2008年度運営委員会)
モータは260RAシリーズのマブチモータとする。(2012年度運営委員会)
オープン ノーマル以外の移動機構を有するロボット。
2.競技コースと競技内容

[競技コースレイアウトの説明書(pdf)はこちらをクリック]

 競技コースはターポリンシート(注)をつないで作ります。ロボットは、このコース上で走行しなければなりません。コースの始めと終わりは幅18mm の黒色ビニールテープ(つやあり)で区別されています。今年度のコースの案を右に示します(a=225mm)。競技会場によって全体のレイアウトや大きさ、あるいはライントレースのライン形状が変わります。

競技内容は、コースからはみ出さずに、スタート位置からゴール位置までできるだけ早く走るタイムトライアルレースです。

空き缶運びエリアの出口でタイム計測を終了します。したがって、空き缶運びの時間は制限時間に含まれます。運んだ空き缶の数だけボーナスタイムが与えられます。

 注:ターポリンシート((株)テラモト製、規格 KT-4200、厚さ 0.42mm、材質 塩化ビニール、色 薄緑、つや消し面が走行面)

2-1 ライントレース種目
ライン ラインは幅18mm の黒のビニールテープです。ラインは直線や円弧などの組み合わせで構成します。ショートカット防止のため、一点鎖線部に障害物を設置します。この障害物は、距離センサが反応する大きさです。
走行領域 ラインの中心線の両側は、最小でも200mm ずつの走行領域が確保されていることとします。
ライン上の障害物の周囲にも、最小で200mmの走行領域が確保されていることとします。
ショートカット防止用の障害物とラインの間隔も200mmずつの走行領域が確保されていることとします。
注:ラインの貼り方に誤差があるため、局所的に200mmを下回る場合もあります。
競技内容 ラインに沿ってロボットを進ませます。 ロボット本体がラインからそれた場合はファールの対象となります。 走行領域のシートからはみ出した場合もファールの対象となります。
救済措置 同じ直角コーナーで数回失敗してハンドで復帰し、それでも失敗した場合は直角コーナーの出口でラインの方向にロボットを向けてハンドによる復帰を行うことができる。
2-2 迷いの森種目
入口 森の入口の床面に、コースに直角な直線を、幅18mm の黒のビニールテープで引きます。 入口に内寸法が幅40cm、高さ40cmである、ゲートがあります。このゲートをくぐって迷いの森に入って下さい。
救助ライン 白ラインを通過した後であれば、迷いロボットを救助できます。
出口 森の出口付近にはライントレースの線が延長されています。
競技内容 森の中を通り抜けて下さい。このときエリアのシートからはみ出したり、障害物にぶつかって動かしたりするとファールの対象になります。またロボットを救助した場合は、相応のペナルティーが科されます。
障害物

直径125mm、高さ150mm 程度の円筒型の障害物が複数おいてあります。 表面は黄色に塗装されています。 標準ロボットが障害物を動かしたり、持ち上げることのできない程度の重量です。 障害物の正確な配置は不明ですが、少なくとも直径30cmの円盤が通過できるような通路を確保します。
障害物のうち3つの位置は、当日、指定した範囲のなかで観客に決めてもらいます。

救助 障害物を移動してロボットを救助することが出来ます。どの障害物を移動するかを競技者は指示します。移動した障害物の数に応じてペナルティーが科されます。
2-3 空き缶運び種目
空き缶 材質はスチール、重量は約70gで、色は白です。
空き缶 置き場

空き缶置き場(A)、(B)は図のように板で囲まれた領域です。


空き缶の初期位置と空き缶置き場の配置

空き缶は競技コートの右側と左側の白テープで囲まれた領域に各5個置かれています。
空き缶置き場はエリアの左右に設置されます。
空き缶と空き缶置き場の位置およびゴール方向の目安を示すため、ガイドテープを路面に貼ります。
競技内容

空き缶を指定された場所に運びます。
ゴール方向を示すガイドテープが路面にあります。

リトライ ハンドのペナルティーと引換えにリトライすることができる。リトライ時には、缶から少し離れて、ロボットを任意の方向に向けてライン上に置くことができる。
.得点基準

 開催地の競技運営委員はコースの難易度に合わせて得点基準を設定できるものとします。ロボットの順位は総合タイムで競います。

3-1 総合タイム
走行タイムに、ペナルティタイムを加算し、ボーナスタイムを減じて総合タイムとします。
3-2 走行タイム
コースのスタート地点からタイム計測終了ライン(缶運びの出口)到達までの走行時間。
3-3 ペナルティタイム
次の場合、罰則としてペナルティタイムを科します。
3-3-1 コース全域
コースアウトやハンド(注:ハンドとはロボットに触れる行為をいう。)があった場合。障害物などのコース上の構造物に衝突した場合。
3-3-2 ライントレース種目
ロボット本体が完全にラインからそれた場合。但し障害物回避時は除く。
3-3-3 迷いの森種目
迷いロボットを救助した場合
3-3-4 ペナルティーの判定基準
a.[ライン逸脱→すぐに自力復帰] 競技続行、逸脱を無視してペナルティーなし
b.[ライン逸脱→しばらく走行して自力復帰] ラインアウトorコースアウトのペナルティ(ライン逸脱地点以前に戻す)
c.[ライン逸脱→自力復帰できず、ハンドによる復帰] ハンド(ライン逸脱地点以前に戻る)
d.ペナルティの大きさは、ラインアウト < コースアウト < ハンド
3-4 ボーナスタイム
次の場合、報酬としてボーナスタイムを与えます。
3-4-1 空き缶運び種目
空き缶を空き缶置場に置いた場合
4.コース仕様と得点基準の公表

 コース仕様と得点の基準は、少なくとも競技開催日の7日前に公表します。
 なお、迷いの森の障害物、空き缶の位置は競技開始前まで不明です。

5.参加資格

5-1 チームを作って競技に参加できるのは、大学生および大学院生、これに準ずる教育課程の学生とします。

5-2 運営委員会からの連絡が参加者に届くように、参加者は必ずロボット・トライアスロン運営委員会のメンバー表から、自分が所属している学校の先生を探し、その先生に参加することを知らせて下さい。

5-3 身近にロボット・トライアスロン運営委員会のメンバーがいない場合は次のようにして下さい。

   5-3-1 所属機関の中で協力してもらえる先生を探して参加者担当窓口になってもらい、ロボット・トライアスロン運営委員会のメンバーに連絡を取ってもらう。

   5-3-2 ロボット・トライアスロン運営委員会の事務局に事情を説明するメールを送る。

5-4 同一人物が複数のチームのメンバーとしてエントリーすることはできません。

5-5 その他、必要なことはロボット・トライアスロン運営委員会で定めることとします。

6.失格事項

 ロボットが以下の事項に抵触する場合、競技運営委員または競技審判はロボットの競技参加を拒否あるいは競技を停止させることができます。

6-1 ロボット機体以外の器具や装置を使用して競技した場合
6-2 故意にコースを傷つけたり、汚したりした場合
6-3 競技者がコースや機材に操作を加えた場合
6-4 ロボットあるいは競技者が競技中に火気を使用した場合
6-5 ロボットに観客や周囲に危害を与えると思われる装置を使用している場合
6-6 ロボットが競技コースから完全に離れたり、動作が完全に停止した場合
6-7 競技会の運営を著しく妨げる場合
6-8 競技運営委員または競技審判が、失格事項に相当すると認めた場合

(C) ロボット・トライアスロン運営委員会  2012年5月5日 土曜日 更新