ロボット・トライアスロン 競技ルール
2017年度版 (2017/7/14 第1版公開)
ロボットトライアスロンは自律型ロボットがライントレース、迷いの森、玉入れの3種目を連続して行う競技です。競技の順位はコースを走行するのにかかった時間で競います。
競技コースの形状、および競技の種目順は、開催地の競技運営委員が会場に合わせて設定できるものとしますが、以下のルールは守ることとします。
- 1.ロボットと参加カテゴリ
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競技に参加できるロボットには、それが自律移動ロボットである限り、寸法や重量に特別な制限は設けないことにします。ただし、ロボットは2つ以上の部分に分離したまま競技を続けてはいけません。これには、競技者が競技中にロボットの上物またはカバー等をはずしたり、変形させることを含みます。また、競技走行はアピール走行のときと同じ部品構成で走行しなくてはなりません。
ロボットの移動性能により競技カテゴリを設けていますので、次の条件に従って、いずれかのカテゴリーでエントリーして下さい。1チームがエントリできるロボットは全カテゴリを通じて1台だけです。
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ノーマル |
移動機構に標準ロボットキットのギアボックス((株)タミヤ製6速ギヤボックスHE)を使用しているロボット。
なお、ギアボックスへの軽微な改造を施したロボット、同等性能(タミヤ製ギヤボックス等)のギアボックスを使用しているロボットもこのカテゴリーに分類する。
補足:
・ギアボックスが同じなら内蔵されているモータを交換してもノーマルカテゴリに分類することにした。(2008年度運営委員会)
・モータは260RAシリーズのマブチモータとする。(2012年度運営委員会) |
オープン |
ノーマル以外の移動機構を有するロボット。 |
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- 2.競技コースと競技内容
- 競技コースレイアウトと競技内容については,下のpdf ファイルを参照してください.
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- 競技コースはターポリンシート(注1)をつないで作ります。一部,人工芝(注2)の領域があります。黒線は幅18mm の黒色ビニールテープ(つやあり)を使用します。
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注1:ターポリンシート((株)テラモト製、規格 KT-4200、厚さ 0.42mm、材質 塩化ビニール、色 薄緑、つや消し面が走行面)
注2:人工芝(TRUSCO トラスコ品番 405-4636、材質 表面:ポリプロピレン(PP)、裏面:合成ゴム(SBR)、幅(mm) 910、 厚さ(mm) 6、 質量(kg) 1.8、 色 グリーン 、長さ(m) 3 )、3mの辺を半分に切断して並べ,1.5m x 1.8m の大きさで使用する
- 2-1 コースレイアウトの補足事項
- 競技会場によって全体のレイアウトや大きさ、あるいはライントレースのライン形状などが変わることがあります。
- ターポリンシート,人工芝の裁断やビニールテープの貼り方に誤差があるため、競技コースレイアウトの寸法通りとならない場合もあります。
- 競技会場の床面に凹凸がある場合,コース上に段差として表れることがあります.
- 日照や照明などの条件によってコース上の明るさが時刻あるいは場所によって変化することがあります.
- 2-2 ライントレース種目の補足事項
- ロボット本体がラインからそれた場合(ラインアウト),走行領域のシートからはみ出した場合(コースアウト)はファールの対象となります。
- スタートライン後の最初の50cmはこのラインアウトのペナルティ,および,それに引き続きおこるハンドのペナルティをとりません。ただし,ボール積込エリアAにおいては,この条項を適用しません.
- 同じ直角コーナーで3回失敗した場合は、ハンドと引き換えに直角コーナー出口からラインの方向にロボットを向けて復帰することができます。
- 2-3 玉入れ種目の補足事項
- ボール供給装置の主要寸法のみを記入した概略図を掲載します.
- ボール供給装置の部品リスト
- 試作品のイメージ図と動きは次の画像の通りです.
全体像.筒の中にボールが入っている.ロボットは右側からアプローチ.
L字のレバーを押してスライドさせると,筒の中のボールが上から落ちてくる.
装置の動作を表す動画です.
3.得点基準
開催地の競技運営委員はコースの難易度に合わせて得点基準を設定できるものとします。ロボットの順位は換算タイムで競います。
- 3-1 換算タイム
- 走行タイムに、ペナルティタイムを加算し、ボーナスタイムを減じて換算タイムとします。
- 3-2 走行タイム
- コースのスタート地点からタイム計測終了ライン(玉入れエリアの入口)到達までの走行時間。
- 3-3 ペナルティタイム
- 次の場合、罰則としてペナルティタイムを科します。
- 3-3-1 コース全域
- コースアウトやハンド(競技者がロボットに触れる行為)があった場合。障害物などのコース上の構造物に衝突した場合。
- 3-3-2 ライントレース種目
- ロボット本体が完全にラインからそれた場合(ラインアウト)。
- 3-3-3 迷いの森種目
- 迷いロボットを救助した場合
- 3-3-4 ペナルティーの判定基準
- a.[ライン逸脱→すぐに自力復帰] 競技続行、逸脱を無視してペナルティーなし
- b.[ライン逸脱→しばらく走行して自力復帰] ラインアウトorコースアウトのペナルティ(ライン逸脱地点以前に戻す)
- c.[ライン逸脱→自力復帰できず、ハンドによる復帰] ハンド(ライン逸脱地点以前に戻る)
- d.ペナルティの大きさは、ラインアウト < コースアウト < ハンド
- 3-4 ボーナスタイム
- 次の場合、報酬としてボーナスタイムを与えます。
- 3-4-1 玉入れ種目
- ボールを玉入れA, Bに入れた場合。玉入れの種類や場所、ボールの数によってボーナスタイムに差があります。
- 3-5 退場
- 競技者がコースの構成物を故意に動かしたりしたときは、競技を中止し、競技者とロボットを退場処分とする。
4.コース仕様と得点基準の公表
コース仕様と得点の基準は、少なくとも競技開催日の7日前に公表します。正式な決定は当日の運営委員会にて行います。
なお、迷いの森の障害物の位置は競技開始前まで不明です。
5.参加資格
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5-1 チームを作って競技に参加できるのは、大学生および大学院生、これに準ずる教育課程の学生とします。
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5-2 運営委員会からの連絡が参加者に届くように、参加者は必ずロボット・トライアスロン運営委員会のメンバー表から、自分が所属している学校の先生を探し、その先生に参加することを知らせて下さい。
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5-3 身近にロボット・トライアスロン運営委員会のメンバーがいない場合は次のようにして下さい。
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5-3-1 所属機関の中で協力してもらえる先生を探して参加者担当窓口になってもらい、ロボット・トライアスロン運営委員会のメンバーに連絡を取ってもらう。
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5-3-2 ロボット・トライアスロン運営委員会の事務局に事情を説明するメールを送る。
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5-4 同一人物が複数のチームのメンバーとしてエントリーすることはできません。
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5-5 その他、必要なことはロボット・トライアスロン運営委員会で定めることとします。
6.失格事項
ロボットが以下の事項に抵触する場合、競技運営委員または競技審判はロボットの競技参加を拒否あるいは競技を停止させることができます。
- 6-1 ロボット機体以外の器具や装置を使用して競技した場合
- 6-2 故意にコースを傷つけたり、汚したりした場合
- 6-3 競技者がコースや機材に操作を加えた場合
- 6-4 ロボットあるいは競技者が競技中に火気を使用した場合
- 6-5 ロボットに観客や周囲に危害を与えると思われる装置を使用している場合
- 6-6 ロボットが競技コースから完全に離れたり、動作が完全に停止した場合
- 6-7 競技会の運営を著しく妨げる場合
- 6-8 競技運営委員または競技審判が、失格事項に相当すると認めた場合
(C) ロボット・トライアスロン運営委員会
2017年7月18日 火曜日
更新